恵那高校に潜入!地域の大人と、高校生を繋げる「恵那田舎塾」とは?

椅子に座って先生の授業を受けて、放課後は部活動をするーー そんな一般的な高校での生活の枠を飛び越えて、岐阜県立恵那高校で始まった地域と高校生を繋ぐ取り組みを、皆さん知っていますか?
その名も「恵那田舎塾」
放課後の時間を使って、ゲストである恵那・中津川地域で活躍する大人を高校生が囲む、トークイベント形式の取り組みです。

恵那高校田舎塾

これまで海外留学・情報発信・福祉などさまざまなテーマで開催され、高校生は興味を持った会に参加し、ゲストと交流を深めています。
中にはもう常連となっている高校生もいるんだとか!
おへマガ編集部がおじゃました第7回目のゲストは、恵那市笠置町で古本屋「庭文庫」を営む、百瀬雄太さんと百瀬実希さん

恵那高校田舎塾

 店主の百瀬雄太さんが恵那高校の卒業生ということもあり、庭文庫のお2人を迎えた今回のテーマは「恵那高の先輩がオススメする今のあなたにほぼぴったりな本」
ふだんはテーマに応じて、プレゼンやパネルトークで行われている恵那田舎塾ですが、今回は事前に学校でアンケート調査した、高校生一人一人の興味や悩みに応じて、2人がオススメの本を紹介するという、ちょっと変わった形式で進んでいきました。

 

アンケート結果には「勉強のやる気が出なくて、ダラダラしてしまう」「人間関係に悩んでいる」「アートに興味がある」「経済の本を読みたい」など、高校生の生の声が並びます。
 その中の1つ、「歌をもっと響かせられるようになりたいけど、先生にもアドバイスをもらっているのに上手くいかない…」という悩みをあげたのは、音楽部に所属する女の子。
女の子の話に耳を傾けながら、百瀬雄太さんは中村明一さんの「倍音」を紹介します。

恵那高校田舎塾

「音楽によって、倍音、呼吸の仕方などさまざまな違いがあります。それを見定めていくと、響かせられるようになるんじゃないかなと思います。」
続いて寄せられたのは「もう少し自分が楽しいと思える人生にしたい」という悩み。
「自分の生き方に悩んでいる」「普段の生活を充実させたい」など、生き方をテーマにあげた高校生も多い中、実希さんは小泉吉宏さんの「ブッタとシッタカブッタ」を、百瀬さんは岡本太郎さんの「今日の芸術」と中島智さんの「文化のなかの野生」を紹介し、こう語りかけます。
「なんかやる気でない、とかなんか寂しいとかに、僕は答えは出せないし、色んな大人も答えは出せなくて、本一冊で答えになることもないです。でもそれを考える助けになる本はたくさんあります。」

恵那高校田舎塾

「僕が恵那高にいた時、何をしたいのかどこに生きたいのか分からなくてとりあえず受験をして、恵那に帰ってきました。
答えは出せないけど、一緒に悩むことはできます
どうしたらいいか分からない人たちが来て、一緒に考えられる場所、よりよく生きていくために何かちょっとでもできたらいいなと思って庭文庫という場所を作ったので、勉強の合間にでも来てください。」
「ずっと恵那高に来たかった」と話す百瀬さんのように、恵那田舎塾にあるのは、優しく語りかけ問いかける地域の大人と、熱心に耳を傾ける高校生と、そしてそれを後ろから見守る学校の先生たち。

恵那高校田舎塾

これで直接学校の成績が上がるわけではないですが、カッコいい大人に出会う機会が学校内で作られることは進路や生き方を模索する高校生にとって、とても貴重な機会になっています。
恵那田舎塾での出会いが、高校生のこれからの人生をどんなふうに豊かにしていくんだろうと想像すると、とってもワクワク!
おへマガ編集部としても、素敵な恵那・中津川の大人の生き方を高校生にも伝えていきたいな〜と思います。