トレッキング初心者にもおすすめな絶景瀑布。中津川市加子母の小秀山中腹の「夫婦滝」に行ってきました。玄人も楽しめるフトコロの深い乙女渓谷。
初めに
岐阜県中津川市加子母。
恵那山の次に高い標高1982mの小秀山があり、中腹には落差80mの男滝を持つ夫婦滝があります。
片道1時間半とアウトドア初心者にもお勧めしやすい道のりでたどり着ける大迫力の夫婦滝。
暑さもやわらぎアウトドアの楽しくなるこの季節。
早速行ってきました!
岐阜県中津川市加子母とは
中津川市の最北にある加子母。
林業が盛んで一般人の入れない国有林も多く、某ドラマでも有名な「ケイチャン」も食べられます。
お隣の東白川村ではキャンプ場もオープンし、林業を活かした独自の面白い動きもあり、地歌舞伎の明治座(クラシックコンサートまである!しかも木造建築で聴ける東京藝術大学の方々による演奏)のように地域に根差した文化もありと見どころだらけなのが加子母です。
乙女渓谷夫婦滝
そんな加子母の奥地にあるのが乙女渓谷と乙女渓谷キャンプ場。
小秀山・夫婦滝の入り口にもなっています。
滝までの前半は渓流に沿って木道を歩き登り、後半からは砂利やガレキ、さらには急登も交えたりとバラエティー豊富な「トレッキング」を体感できるルートを辿ります。
さらに、後述しますが冬はこれが全部凍り付く。
https://www.city.nakatsugawa.lg.jp/material/files/group/43/otomekeikoku-meotodake-routemap.pdf
夫婦滝ルート入口
乙姫渓谷キャンプ場の入り口にて車が500円にて停められます。
キャンプ場の受付に「登山届」「駐車申請書」があるのでどちらも記入と投函(投函口はそれぞれに用意されてるのでまとめて入れないよう注意)。
初心者向けといっても山は山。
たまに「右手は柵のない崖」なんてヶ所もありで油断禁物。
投函後、建物右手から登山道に入ります。
2.木道
小秀山・夫婦滝といえばこの木道。
夫婦滝までの半分くらいまではこの渓流を眺めながら木道に足を進めます。
後半からの砂利やガレキと比べるとめちゃくちゃ歩きやすい。
地形を観察すると「よくこんな険しい場所に…」と恐れ入ってしまいます。。
(木道から下をのぞき込むと結構怖い)
注意事項として、木の板なので雨などで濡れていると結構滑ります。
当日は快晴でも谷間なので前の晩に降ってるとほぼ乾いてない。
登山用の杖も余裕で滑る。
フチに滑り止めのテープは張ってあるとはいえ過信は禁物。
時おり現れる小さな滝や渓流にも注目。
錦鯉すらいそうな美しさ。
自然は天気や時間帯により違った表情も見せてくれるので何度行っても楽しい。
毎回新しい発見があるかも。
谷間で日照時間も短く、苔好きにもおすすめ。
結構色んな苔がいる。
ルーペ持ってきたら楽しそう。
苔の観察だけならもっと初心者の方でも歩ける範囲で沢山観察できます。
定期的に「あと○km」という看板もあり、これはかなり正確なのでペース配分の確認と調整に。
夫婦滝まではずっと谷で天気の急変もとらえにくく、事前の天気予報の確認と雨具の用意超大事。
看板は見どころの岩や滝も案内してくれます。
案外こういうのを確認しながら進んでくと時間が経つのも忘れてしまう。
ザ・登山道
途中から木道が途切れ、どんどんと砂利からガレキ、軽い沢渡りが増えてきます。
まさに登山。
沢渡も前日までの雨量によりますが、大抵は数cmの水深。
露出した岩を踏んでいけば靴は濡らさず勧めます。
しかしやはり慎重に。
以下はどちらも木道が途切れるポイント。
上のは小さな沢渡り。
下は岩場を登ります。
これはまだ序の口。
途中から道はあるけど木道はない。
また、夫婦滝までの場合は道が分岐してるポイントが2か所あります。
よく見るとどちらも赤いテープが張ってあるため、迷ったらまず観察。
間違っても川の方に下るだけとはいえ正規のルートでもなく、リスクは抑えて。
因みにこのテープ、山によっては林業用の目じるしであって登山用じゃなかったりもします。
ここはそこまで迷う分岐はありませんが、一応念頭におきながら。
中間地点にある避難小屋。
ここから「小秀山までは玄人向け」な警告看板が目立ってきます。
ちょうどこの避難小屋から木道は消え登山道だけになり、さらに角度もキツいと難易度も上昇。
体力に自信がない方、トレッキング初心者の方はこの辺で引き返すのも全然アリ。
ここまででも渓流や小さな滝など、見どころもいくつか過ぎた後なので登山初心者の方の練習用として訪れ、引き返す目安にも。
どんだけ警告が強めかというと、避難小屋の先にある看板がめっちゃ上を向いてる。
ここまでの登り坂の角度を考えるとあながち間違いではないくらい。
わりと「頑張ってあるいたな!」って気分のあとにこの上向いた看板があり、本当に登りの角度が険しくなる。
(ちゃんと水平位置から撮ってます)
あとひと踏ん張りとはいえ一旦落ち着いて考えるのも登山には大事な工程。
大滝!
そんなこんなを乗り越え、徐々に大きな水の音も近づいてきます。
滝の直前で「舗装された登山道」感が消え道が広がり、岩場も強くなるので念押しで慎重に。
もちろん手すりも無く難易度が上がります。
それでも目の前にあの大滝!
夫婦滝・男滝
この写真の撮影位置まで飛んでくる水飛沫…!
中津川市・恵那市の大滝の中でも落下点の下から撮れてこの水量で落差80mほどとなるとここが最高峰。
この先の小秀山山頂も素晴らしいとはいえ、夫婦滝だけでもくる価値は十分にありまくります。
※滝つぼの近くまで行くこともできますが足場も悪くリスクもあるため初心者の方にはおすすめできません。
無理は禁物。
きっとこの辺までくるとテンションも高まっているため一度立ち止まって深呼吸を。
そして目と写真に焼き付けましょう。
なんなら動画も。
小秀山山頂と夫婦滝氷瀑
ここから先は再度の警告看板。
鎖もない垂直のガケを何メートルか登る「カモシカ渡り」もあり、登山サイトによっては登山口から山頂までの往復参考タイムが8時間30分(休憩抜きで)と少し長く中級者以上向け。
逆にいえば色んな層が楽しめる深いフトコロを持つのが小秀山。
そしてこの夫婦滝、真冬には全部凍ります。
滝も凄いけど、あの氷瀑はもっと言葉にできない迫力。
ただし難易度が一気に上がります。
ガチで中級者以上向け。
こちらは小秀山山頂と氷瀑を書いた過去記事。
【登山/滝】中津川市の冬の絶景。小秀山の氷瀑レポ
寒い時期に滝が凍り付く現象を「氷瀑」といい、岐阜県では東部や飛騨、または長野県から北の寒さが厳しい地域では大きな滝もこの氷瀑になりやすく、絶景スポットとして人…
加子母観光協会様では毎年1月にこの氷瀑ツアーも行っております。
コロナの影響で中止していましたが、2023年1月分から再開しました。
(暖冬などでの中止の可能性もあり)
真冬の積雪登山になるのである程度の経験値はあった方がいいですが、この東濃地方で積雪登山をガイドしていただける貴重な経験にもなるのでとてもオススメです。
2024年も開催予定!
詳しくは加子母観光協会様のHP、instagramにて公開予定。
参考:2023年1月の乙女渓谷氷瀑ツアー募集要項。
タイムスケジュールや持ち物なども載っています。
冬季限定!乙女渓谷氷瀑ツアー2023 - カシモール
※残念ながら雨の影響で氷瀑が崩落してしまいました。 今シーズンのツアーは終了させていただきます。 氷の芸術!凍
終わりに
加子母小秀山の夫婦滝レポでした。
中津川市、恵那市で登山というと恵那山や笠置山、またはお手軽登山として二つ森山が有名ですがここも欠かしてはいけないスポットの一つ。
まさに初心者から玄人まで包み込んでくれる、季節を問わず何度でも登りたい山でした。
(僕は秋と夏でそれぞれ2回登ったけどまだ登りたい)